出張！背景美塾 クリスタ・トレース講座 -第9回(全12回)-
出張！背景美塾 クリスタ・トレース講座 -第9回-
（第9回終了・完成）
14：ここからは「少年漫画風」としての線画を描画していきます。ここでもあくまで一例として紹介させて頂きます。
少年誌ではベタとタッチが少し多くなります。少年誌は少年に読んでもらうマンガです。ベタを多めに力強さを表し、ペンタッチによって場所や世界がどのような状況になっているのか状況を明確にします。
まずは「千世ビル」レイヤーに描画された左側奥のビルの線幅を太めに変更します。
「ベクターレイヤー」であれば「オブジェクト」サブツールを選択中であれば「レイヤープロパティ」パレットのブラシサイズで線幅をあとから変更することが可能です。
※画像クリックで拡大します
15：「少女漫画風」では奥のビル群はシルエットだけ描きましたが「少年漫画風」では一番奥のビル群を細かく描き込んでいき、画面の密度を増していきます。
しかし描き込んでいくと夢中になって過剰に描き込んでしまうことがあるので、全体のバランスを見ながら描き込んだ部分だけ浮かないように注意します。
16：次に写真を見ながら、黒に近い部分にベタを塗っていきます。
ベタを塗る際も写真の黒い部分にベタを塗る以外にも背景全体のバランスを見ながら、一部分にだけベタが集中しないように全体的にバランスよくベタを塗ります。
場合によっては写真では白いところにベタを塗ってバランスを取る場合があります。
17：少年誌的な仕上げにする場合、トーン処理を極力すくなくするために中間色を細い縦の線やカケアミでタッチを入れていきます。
少年誌では線のタッチによって状況説明をする場合が多く、線が多いと迫力が出ます。
そのため画面の濃淡をトーン仕上げ以外にペンタッチ（線の描画）によって濃淡を表現する場合があります。
タッチは手前を多めに奥に行くほど減らしていきます。
18：地面や石、鉄などに汚しを入れていきます。
写真では見えない部分も資料写真や想像を膨らませながら、線の描画を増やしていきます。この時も手前は汚しを多く、奥は少なくといった形で奥行き表現には注意しながら汚しを描き加えます。
これで「少年漫画的仕上げ」用の線画完成です。
19：続いて「青年誌風」の線画にしていきます。
「少年誌的仕上げ」で描画を加えた部分はレイヤーを分けていたため、いったんレイヤーを非表示にし、新たにレイヤーを作成し細かく描き込んでいきます。
「少年漫画」と「青年誌」は似たようなペンタッチや汚し・ベタをいれます。
違う点は「少年漫画風の仕上げ」の方が斜線などの線の描画（ペンタッチ）によって、影の濃淡などを表現する場合が多いです。一方「青年漫画風の仕上げ」ではペンタッチは抑え気味で影の濃淡などはトーン仕上げで表現します。
20：手前の橋の欄干は黒で塗りつぶしていくイメージで、白黒のコントラストがはっきりしたリアルな感じにしていきます。
青年誌では読者層の年齢も上がり、背景は写実性が求められる場合が多いです。よりリアルに場所や空気感が一目で分かるようなイメージです。
また物体の角の部分や輪郭部分は黒で塗らず、ハイライト（白）を残すと光沢感が出てリアル差が増します。黒白のメリハリも強く、簡単に画面の見栄えをよくする方法の一つです。
21：これで「青年誌風」の線画完成です。
トーン仕上げは行っていませんが、線画の多さとベタによって黒白のメリハリが効き、作風によってはトーン仕上げも必要ないほど見応えのある背景になっています。 22：トレースは『慣れと根気』が必要です。写真トレースは写真によっては描く部分が多く、いつ終わるのか分からず落ち込むときもあります。しかし手を動かせしていけば必ず終わります。
慣れてくれば少しずつ、線画やベタで絵が埋まっていくのが楽しくなっていきます。それでも集中力が続かなくなってきたら休憩を入れて、一カ所に飽きたら違う場所を描いていくといいです。集中せずダラダラと描いてしまうのは一番よくありません。
いきなり上手くなるということは無いので、いっぱい描いて自分なりの線の選び方を鍛えていきましょう。
日本で一番有名な？アシスタントMAEDAXが塾長を務める【アシスタント背景美塾】による
写真素材からの背景トレース講座！
第7～9回では、少年誌・青年誌・少女誌それぞれの作風に合う背景の仕上げ方を解説します。
写真素材からの背景トレース講座！
第7～9回では、少年誌・青年誌・少女誌それぞれの作風に合う背景の仕上げ方を解説します。
（第9回終了・完成）
トレース講座Trace course
14：ここからは「少年漫画風」としての線画を描画していきます。ここでもあくまで一例として紹介させて頂きます。少年誌ではベタとタッチが少し多くなります。少年誌は少年に読んでもらうマンガです。ベタを多めに力強さを表し、ペンタッチによって場所や世界がどのような状況になっているのか状況を明確にします。
まずは「千世ビル」レイヤーに描画された左側奥のビルの線幅を太めに変更します。
「ベクターレイヤー」であれば「オブジェクト」サブツールを選択中であれば「レイヤープロパティ」パレットのブラシサイズで線幅をあとから変更することが可能です。
※画像クリックで拡大します
15：「少女漫画風」では奥のビル群はシルエットだけ描きましたが「少年漫画風」では一番奥のビル群を細かく描き込んでいき、画面の密度を増していきます。しかし描き込んでいくと夢中になって過剰に描き込んでしまうことがあるので、全体のバランスを見ながら描き込んだ部分だけ浮かないように注意します。
16：次に写真を見ながら、黒に近い部分にベタを塗っていきます。ベタを塗る際も写真の黒い部分にベタを塗る以外にも背景全体のバランスを見ながら、一部分にだけベタが集中しないように全体的にバランスよくベタを塗ります。
場合によっては写真では白いところにベタを塗ってバランスを取る場合があります。
17：少年誌的な仕上げにする場合、トーン処理を極力すくなくするために中間色を細い縦の線やカケアミでタッチを入れていきます。少年誌では線のタッチによって状況説明をする場合が多く、線が多いと迫力が出ます。
そのため画面の濃淡をトーン仕上げ以外にペンタッチ（線の描画）によって濃淡を表現する場合があります。
タッチは手前を多めに奥に行くほど減らしていきます。
18：地面や石、鉄などに汚しを入れていきます。写真では見えない部分も資料写真や想像を膨らませながら、線の描画を増やしていきます。この時も手前は汚しを多く、奥は少なくといった形で奥行き表現には注意しながら汚しを描き加えます。
これで「少年漫画的仕上げ」用の線画完成です。
19：続いて「青年誌風」の線画にしていきます。「少年誌的仕上げ」で描画を加えた部分はレイヤーを分けていたため、いったんレイヤーを非表示にし、新たにレイヤーを作成し細かく描き込んでいきます。
「少年漫画」と「青年誌」は似たようなペンタッチや汚し・ベタをいれます。
違う点は「少年漫画風の仕上げ」の方が斜線などの線の描画（ペンタッチ）によって、影の濃淡などを表現する場合が多いです。一方「青年漫画風の仕上げ」ではペンタッチは抑え気味で影の濃淡などはトーン仕上げで表現します。
20：手前の橋の欄干は黒で塗りつぶしていくイメージで、白黒のコントラストがはっきりしたリアルな感じにしていきます。青年誌では読者層の年齢も上がり、背景は写実性が求められる場合が多いです。よりリアルに場所や空気感が一目で分かるようなイメージです。
また物体の角の部分や輪郭部分は黒で塗らず、ハイライト（白）を残すと光沢感が出てリアル差が増します。黒白のメリハリも強く、簡単に画面の見栄えをよくする方法の一つです。
21：これで「青年誌風」の線画完成です。トーン仕上げは行っていませんが、線画の多さとベタによって黒白のメリハリが効き、作風によってはトーン仕上げも必要ないほど見応えのある背景になっています。
22：トレースは『慣れと根気』が必要です。写真トレースは写真によっては描く部分が多く、いつ終わるのか分からず落ち込むときもあります。しかし手を動かせしていけば必ず終わります。慣れてくれば少しずつ、線画やベタで絵が埋まっていくのが楽しくなっていきます。それでも集中力が続かなくなってきたら休憩を入れて、一カ所に飽きたら違う場所を描いていくといいです。集中せずダラダラと描いてしまうのは一番よくありません。
いきなり上手くなるということは無いので、いっぱい描いて自分なりの線の選び方を鍛えていきましょう。
制作コメントCOMMENT
アシスタント背景美塾で「料理」講座を担当しています「山崎智史」先生にトレースのメイキングを制作して頂きました。
正確な描画と発表媒体に合わせた描画の変更など、柔軟な対応を行っております。
制作プロフィールPROFILE
| 制作 | アシスタント背景美塾 |
|---|---|
| HPアドレス | アシスタント背景美塾(https://haikeibijuku.com/) |
| twitter（URL） |
アシスタント背景美塾(https://twitter.com/haikei_bijuku) 山崎智史(https://twitter.com/sat_zakiyama) |
| pixiv（URL） | 山崎智史(https://www.pixiv.net/member.php?id=815065) |
| 主な活動ジャンル | 初級講座(背景を学びたいと感じたら) その他、クリスタを学べるデジタル講座もあります。 |
| 自己紹介 | 「アシスタント背景美塾MAEDAX派」とは日本で一番有名？な漫画アシスタントMAEDAXによる背景でお悩みの方にむけた、実践型プロ志向背景教室です！ |
