出張!背景美塾 クリスタ・トレース講座 -第11回(全12回)-

出張!背景美塾 クリスタ・トレース講座 -第11回-
日本で一番有名な?アシスタントMAEDAXが塾長を務める【アシスタント背景美塾】による
写真素材からの背景トレース講座!
第10~12回では、前回までで作成した線画をベースに、それぞれの作風に合わせた影やトーン処理などを解説します。

(第11回終了時点)

トレース講座Trace course

09:【2】少年漫画風仕上げ
少年漫画風に仕上げていきます。
少年漫画の場合は「少女漫画風の仕上げ」と比べ、もう少し画面が濃くなっていきます。読む対象が主に男性に変わるということもあり、キャラクターも線が太くなり、ベタも多くなりがちです。
それに合わせ背景も負けないように、やや濃い目に仕上げを行っていきます。
イメージとしては「少女漫画風仕上げ」は光源の位置を考え、影の部分を中心とした仕上げ。「少年漫画風仕上げ」は物体の固有色も考えて、さらに塗っていくようなイメージです。
繰り返しになりますが、作風によって変わってくるので、ここで紹介するのはあくまで一例です。
まずは空をグラデーションに変更します。

※画像クリックで拡大します
10:次に物体の固有色を塗っていきます。
今回は「橋の欄干」「ビルの提灯」「ビルの上部」「車」といった目に付きやすい部分、4カ所に塗りました。
トーンを重ねる場合(重ね貼り) デジタルでは少しもずれずに全く同じ位置にトーンが貼られるため濃度が濃くなりません。そのため「レイヤープロパティ」パレットの「網の設定」→「拡張パラメータ」から「網の位置」の数値を変更してください。
私の場合は「X」軸を「8」に設定します。
11:「橋の欄干」部分を塗った後に光が当たっている部分を削除していきます。
非常に手間のかかる作業ですが、目立った部分は手をかけた分だけ情報量が増え、見栄えがよくなります。
すべての原稿でそうする必要はありませんが原稿の中で目立った部分はしっかり描画していきましょう。立体感が出てきます。
12:手前のビルを目立たせる為に奥のビル群を10%の濃度で塗っていきます。
漫画制作は時間との戦いです。好きな時間だけ描ける漫画・原稿というのはほとんどありません。また時間=締め切りを意識することで限られた中で効果的な描画を行うことができるようになります。
時間が限られている連載の中で、どれだけ少ないトーンで効果的に見栄えがするかはとても重要です。
『効果的でないところは塗らない』という、手をかけないところ、手をかけるところ両方を意識してみてください。

※第12回(5月公開予定)に続く

制作コメントCOMMENT

アシスタント背景美塾で「料理」講座を担当しています「山崎智史」先生にトレースのメイキングを制作して頂きました。
正確な描画と発表媒体に合わせた描画の変更など、柔軟な対応を行っております。

制作プロフィールPROFILE

制作 アシスタント背景美塾
HPアドレス アシスタント背景美塾(https://haikeibijuku.com/)
twitter(URL) アシスタント背景美塾(https://twitter.com/haikei_bijuku)
山崎智史(https://twitter.com/sat_zakiyama)
pixiv(URL) 山崎智史(https://www.pixiv.net/member.php?id=815065)
主な活動ジャンル 初級講座(背景を学びたいと感じたら)
その他、クリスタを学べるデジタル講座もあります。
自己紹介 「アシスタント背景美塾MAEDAX派」とは日本で一番有名?な漫画アシスタントMAEDAXによる背景でお悩みの方にむけた、実践型プロ志向背景教室です!

今回使用した写真素材Materials